コミック版の「皇国の守護者」全5巻を読み終えました。
面白かったのでサラサラと2〜3時間くらいで読み終えてしまいました。
ジャンルとしてはSF軍記モノと言っていいんでしょうか。
舞台はパラレルワールドの明治時代あたりの日本という感じでしょうか。
日本の島の形とか違うし、地名もまるっきり違うんですが、すごく日本感のある世界です。
こういう軍記モノって言い回しとかがかっこいいんですよね。
この作品については、明治時代の趣のある古めかしい言葉とか。
ストーリー
作中に<帝国>という名前で記される国ですが、現実世界に置き換えればほぼロシアって感じです。
分かりやすく言ってしまえば、日露戦争のif世界、ロシアが北海道に攻めてきて防衛軍が敗北、敗走、その殿を主人公率いる大隊が引き受けるって話です。
そこに龍が出てきたり、道術っていうテレパシーの様な能力を持つ人間が出てきて軍の通信を担ってたりというSF要素が絡むという。
まあ、この話を読んで思ったのが
軍隊って、究極の合理主義だと思うんですよね
普段は「命は地球より重い」なんていう言葉が掲げられる現代日本ですが、戦争の中では一つの命はただの数字に置き換えられてしまうんですね。
どこまでも効率的に、感情を排して合理的に展開していくというのが軍隊というものかと思います。
全ては勝利の為ですね。
主人公の新城直衛中尉(後に少佐まで昇進)はそのことをよく分かっている人で、自らも戦場の1つの駒に徹します。
外面は将校としての自分を完璧に演じようとしますが、そんな彼の穏やかならぬ内面の描写が非常に繊細で、新城直衛という人物に魅せられていきます。
一番感動したところ
これ、作品自体に面白いところが一杯あるんですけど、自分が一番感動、感心したところって別にありまして。
本作の途中にはさめてある作者の制作小話みたいな話なんですけど、その中に自分の22年間一緒に過ごした猫が逝ってしまったという話がありました。
そこに書いてあるセリフ
もう二度とあえないという事実も
ありし日々をゆいいつ無二のものとしてひからせるのでオッケーですよね。
・・・
・・・
「いないなあって思っているのか」
「いっしょにいたなあって、思ってるんだよ」
というやりとりにぐっときてしまいました。
別れはいくつになっても辛いものですが、生きていく上で不可避な事であります。
どうしようもない事は受け入れて、素敵な想い出は全部引き連れて生きていければ良いなと思います。
それではまた。
集英社
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