コミック

何かを追究している人が見るべき良作。東村アキコ氏著「かくかくしかじか」を読んで

ずっと気になっていた漫画なんですが、ようやく見ることが出来ました。

「かくかくしかじか」

この漫画は2015年、第8回マンガ大賞および第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞し、全5巻にてすでに完結しています。

あらすじ

この本の作者(東村アキコ氏)の半生を綴った自伝漫画で、作者は九州、宮崎県の出身の人です。

作者は幼い頃から漫画が大好きで、田舎で何不自由なく育ちながら、勉強はそっちのけで漫画ばかりを見る生活を送っていました。

勉強は全然出来なかったそうですが、美大に行くと決めていた彼女は、学校の美術部で絵を書き続け、それを顧問の先生に褒められながら自信を肥大化させつつ楽しく暮らしていました。

しかしひょんな事で自宅から道のり1時間ほど離れた所にある絵画教室に通う事になり、そこの先生(日高先生)に自分の絵をズタボロにけなされる所から物語は始まります。

この先生が超苛烈な人で、竹刀で生徒を叩きながら指導する、いわゆる前時代的なスパルタ先生なわけですが、絵に対する情熱もまた半端ではなく、作者はこの先生にしごかれまくり、結果無事に美大に合格する事ができます。

大学時代、社会人時代、漫画家デビュー時代、それぞれの時期によって作者と先生の関わり方が描かれます。

この漫画の魅力

作者の人も相当腹を割って自分自身を語っているので、キャラクターに人間味が強く宿っていてかなり面白いです。

しかし、この漫画の何が一番魅力的かと問われれば、やはりそれは作者の狙い通りなのでしょうか、先生のお人柄が最も胸に刺さります。

まっすぐ純粋に絵画を愛するが故に、子どもたちに厳しく絵画の指導をする先生。

ほとんど休日もなく指導し、時には深夜にも及ぶ指導にも関わらず月謝はわずか5,000円という清貧ぶり。

そして作者をはじめとする多くの生徒を美大に合格させるという実績。

作中の先生は一切ブレる事なく最強です。

これについて作者は一切の脚色なしと書いていますので、本当に凄い人もいるものだなあと。

そして作中の最後に先生が語った一言にやられました。

出鼻から怖い先生

出鼻から怖い先生

手には竹刀

手には竹刀

むちゃくちゃである

むちゃくちゃである

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ギャグもキレてて楽しい。

表現者がどうあるべきかを教えてくれている

まあ多くを語るとこれからこの作品を見る人の楽しみを奪ってしまう事になりますので難しいところなのですが・・・。

作中の日高先生から、何かの表現者が、もっといえば人間がどうあるべきかという事について多く学べると思います。

しかし、後半は人間的に未熟な作者自身が先生を避けるようなところもあり、離れて暮らす事になってしまうので、自然と先生の描写は少なめになります。

でもこの作者自身の未熟さとか、思い通りにならない感じとか、すごく共感できますね。

夢を選ぶのか、大切な人を選ぶのか、お金を選ぶのか、友人を選ぶのか、恋人を選ぶのか、人生は選択の連続であり、その優先順位はめくるめく変化し、正解は自分で作っていくしかないんですよね。。

いまだに、自分も多く迷うことがありますが、結局は自分の人生、自分が生きずにほかに誰が生きてくれるのかっていう事だと最近は思います。

自分のやりたい事が、誰かの役に立つような生き方が出来れば最高ですね。

「かくかくしかじか」全体的にテンポも良く、退屈せずに読み切る事ができました。素晴らしい漫画です。

何かを追究している人、ものづくりをしている人にはオススメしたい漫画です。

かくかくしかじか 1 (マーガレットコミックスDIGITAL)
集英社 (2014-04-25)
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以前師匠と話した時に「最近の大人は本気で子供を怒れないからダメだ」と言っていたのを思い出します。

私自身も人に対して完全に上から押さえつけるように教えることなんて、とても出来ないです。

それは人それぞれ、その人の自主性に任せたいという気持ちがあると同時に、いやその裏側に、自分自身の覚悟の少なさが透けているのかも知れませんね。

本気で人とぶつかり合うって、けがを恐れていては難しいことです。

私自身もブレない人間でありたいものだと思います。それにはおそらく、日々積み重ねる何かが必要なのだろうという気がしています。

本日もG線上のきりんにおこしいただきありがとうございます。

それではまた♪

 

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