こころ

慣れること、飽きること、僕らはいつも新しいこと

最近は全然文章を書いていなかった。

というわけでもない。
毎日日記をつけるという習慣は、今も続いている。
ときに、2〜3日分の日記を書いたりもするけれど・・・。

最近、人生、命、というものは実によくできているものだということを考える。
つまりそれはどういう事かと言うと、人生とは、命とは「慣れ」と「飽き」の連続だということ。
また変な事を言い始めたとお思いの方も多いと思う。

例えばあるところに二人の - 貧乏な人間と金持ちの人間がいたとする。

金持ちはたくさんのお金を持っているが、お金を持っているという状態を維持するために、気苦労も多い。
逆に、貧乏人はどうかというと、守るものがないため実に身軽ではあるが、当座の食料を得るために気苦労が多い。

また別のところに、健康な人間と不健康な人間がいたとする。

健康な人間は毎日自由に動くことができるが、自由に動く自身の体についてことさら特別な感謝を抱くことはない。
逆に、不健康な人間は自由に動く事ができないが、かつて自由に動いた肉体のありがたみを心から感じることができるはずだ。

面白いのは、このそれぞれ対極の関係にある人間が、逆の立場になったとしても、果たして両方の立場を完全に知っている人間にはなれないという事だ。

貧乏な人間が金持ちになったとしても、不健康な人間が健康になれたとしても、
すぐにその環境に「慣れ」、「飽き」てしまう。
かつて辛かった事なんて、いつまでも覚えてはいられない。
すぐに別の満たされなさに目を向けてしまうのだ。
僕達は空腹の時には満腹を望み、満腹の時には空腹を望むのである。

だから - 実に陳腐な表現にすぎないのだけれど - 大切な事は無理やりにでも今この瞬間に満足をする事だ。
その心構えがないかぎり、どの道をどこまで行こうと心の平安が訪れることは決してないだろう。

ある還暦をすぎたミュージシャンが「きついというのは違う、そんなものは当たり前だ」と語っていた。

そう、僕達は当たり前に老いてゆき、病にかかり、数多の愛する人達と別れ、死んでゆく。
もう二度と来ない今日、もう二度と来ないこの一瞬。
そう感じることのできないだけで、瞬間瞬間、僕達は生まれて死んでいるのだ。
だからこそ、どんな状況に置かれているにしても今この瞬間を愛さねばならない。
今はまだ動かすことの出来るこの体と、今はまだ共に過ごすことのできる愛する人たちがいるのだから。

 

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