タイトルどおりなんですが、先日、生まれてはじめて「夏フェス」というものに参加してきました。
妻が乗り気で、勢いに乗って僕の分のチケットも買ったのが二ヶ月前。
当日が近づくにつれて、行きたくない気持ちが大きくなって行きました。
妻の妹に「チケットあげるからオレの代わりに行かない?」と聞いてみたのですが、義妹も暇ではなく、行きたいけど行けないとの事。
いよいよ覚悟を決めて、当日、はるか稲佐山の山頂を目指して出発したのでした。
駐車場選び
スカイジャンボリー当日、稲佐山には駐車が出来ないという事で、シャトルバスの出る長崎駅付近に駐車場を探さなければなりません。
スカイジャンボリーに10年以上通いこんでる友人が言うにはアミュプラザに停めると良いと言っていましたが、アミュプラザより安くあげたいと思い、長崎駅に近い「イージーパーク」という駐車場に車を置く事にしました。
結果的にこの判断は良かったと思います。朝9時から12時間くらい駐車しましたが、出庫時の料金は1100円でした。
それから長崎駅に向かい、長崎駅の裏手にあるシャトルバスの出車スペースへ到着。この時点で朝の10時くらいでしたが既に長蛇の列。シャトルバスに乗り込むまでに40分くらい並んだと思います。
会場に到着。ピーカン猛暑の稲佐山
会場についたのが11時15分。既に一組目のライブが始まっていました。そのさなか、夏フェス歴戦の友人が会場入口まで迎えにきてくれて合流。安心感。
ブルーシートで場所取りをしてくれていたところまで連れていってくれました。
目の前には特設ステージ、その前には人の波。轟音、頭上には太陽、照りつける日差し。僕は「とんでもない所に来てしまった」と思いました。
合戦場を思わせる非日常
とりあえず前の方に行ってみようという事になり、友人と一緒に人波の中にに突撃しました。友人は実に慣れた身のこなしでずんずん切り込んで行ってしまいます。そして僕らはあっという間にはぐれてしまいました。
最前列から5列目くらいまで来ると、その熱気と人口密度はもう半端ない。
みんな汗ビチョビチョになった体をそれぞれこすり付けあっておりました。
僕は押しくらまんじゅう状態の中で「戦国時代の合戦はこんな具合だったのかも知れない…」と感じました。
「ウェーイ!」の掛け声とともに見知らぬ人々どうしであるはずの皆が一斉に手を上げてリズムに乗りながら規則的に動いていました。
僕は「どうしてこの人達は、ここまで集団に徹する事が出来るのだろう」というなんだか羨ましい様な、それが出来ない自分が物悲しいような気持ちになったりもしました。
突然降ってきた人にやられた首
もはや僕にとってのそこは足腰の鍛錬の場と化していました。
次第に僕は、必死に倒れないように踏ん張り続ける事に快感を見出しつつあったのです。
しかし、そんな僕をあざ笑うかのような出来事が起こりました。
次の瞬間、僕は首を捻挫していました。
一瞬何が起こったのか分からなかった僕の頭上を人が通過していきました。
モッシュという奴です。
人口過密のライブ会場で、浮かれあがった人が人々の上に乗り上げて、乗られた人々は乗った人々を運ぶという過熱したライブ会場で起こるアレです。
「モッシュなどの危険行為は止めてください」と大きく掲示されているのにも関わらず、周りを見渡すとたくさんの人が人の上を運ばれて行っていました。
なにしろ、僕は突然、頭上へ体重をかけられた為に、首を捻挫してしまったのでした。
悔しい僕は、突然首に乗って来た彼を追いかけて文句の一つでも言ってやろうかという気持ちになりましたが、まったく身動きが取れる状況ではなく、頭上を通過してゆく彼の尻をポカポカ叩くことしか出来ませんでした。
首の曲がった僕と、照りつける太陽
ライブ開始後1時間30分程しか経過していませんでしたが、僕は首を捻挫した事ですっかり意気消沈してしまいました。
チケット代は7800円もしましたが、僕はもう今すぐにでも帰りたい気持ちで一杯でした。
妻にその事を話すと、予想どおり妻は「絶対に帰りたくない」と言うのでした。
帰りたい、帰れない。ここは稲佐山。
時計を見やると時間はまだ正午前。
ここから閉会の8時半まで、僕の長い長い一日がまさに今始まったのでした。
夏フェスに必要な準備
僕は幸い、こうなる事もあろうかと、Kindleタブレットを持ってきていました。
そして、どこか誰もいない静かな場所で本を読む為に稲佐山の山深くに入山したのでした。
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以降、夏フェス会場で8時間もの時間をつぶすその間、持ってきておけばよかったと思った物をリストアップしておきます。
1.タオルはバスタオル1枚および通常のサイズのタオルが最低3枚は欲しい。
バスタオルはかなり強力な味方です。
日差しを避ける為には必須と言っても良い。また、足元に敷くのにも重宝するので、バスタオルが2枚あるとかなり心強いと思います。加えて通常サイズのタオルが2〜3枚は欲しいところ。
2.半ズボン、ミニスカートはやめておけ。半袖やタンクトップも危険。長袖、長ズボンやタイツなど、なるべく肌の露出の少ないものがおすすめ。
日差しを避けるために結局、肌の露出している部分にタオルをあてがう事になりがちなので、最初から長袖、長ズボンを着用していく事をおすすめしたい。汗だくになっちゃうーとか思うかも知れないが、例え裸であっても汗だくになるので無問題だ。
3.飲み物は凍らせて運び込むと良い。
山頂でも飲み物は売ってあるが、通常サイズのペットボトルが200円で販売されており、少々お高い(とは言えわりと良心的価格だとは思う)し、飲み物はどうやら飛ぶように売れているらしく、現場で買っても渡されるジュースはほとんど冷えていない場合がほとんど。凍ったペットボトル飲料を持って行くと体を冷やすのに役に立つと思った。
4.一回入ると出られない
半券があれば自由に出入りできるかと思ったらそうじゃなかった。一度会場から出てしまえば二度と入場できない仕組みになっているので、忘れ物には気を付けたい。
正しかったらしい直観
結局午後8時まで会場に居た僕は、首の違和感を抱えながら、満身創痍で稲佐山を下山しました。そして帰りになんとかたどり着いた波佐見温泉で痛む首を癒やしながら今日を振り返って考えました。
やはり、当日が近づくにつれて「行きたくない」と叫んでいた僕の心は、僕の直観は正しかったのだと。これがこの日、7800円を支払って山で昼寝と読書に没頭した日に得たものでした。
誤解を恐れずに言わせてもらえば、僕は常にプレイヤー側でありたい人間で、誰かが何かをやっている事を見るだけという事には興味を持てないようなのです。
だから野球観戦やサッカー観戦について、僕はこれまでやった事がなくて、また行きたいと思った事もなくて、これはやっぱりこれから先の人生においても行かない方が無難であるようだなあと思った次第です。
本日もG線上のきりんにおこしいただきありがとうございます。
34歳にもなると、自分の事がようやく分かりはじめて来たような気がしています。
僕はもう二度と夏フェスには行かないと思います。
とはいえ、夏フェスから距離を置いて入山していた間、とても良い時間の流れを感じた事もあったのでした。
目の前の大きな木に斜めからの夕方の光が当たっているのを視界の端に見ながら、ライブの音を遠く耳に感じて空中を眺めていると、昼間の強烈な日差しが嘘みたいに柔らかな空気を感じました。
ぼちぼち秋がやってきますなあと、半分寝ながら流れる時間に身をまかせていたのでした。
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