先日、ふと赤外線写真が目に止まり「キレイだなー」と思いました。
一種の白黒写真なのですが、うまく撮れるとこんな写真ができます。
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赤外線ってなに?
さてそもそも赤外線とはどういうものかといいますと、光というのは波です。(粒子でもある)
その波の山から山までの距離が長いほど赤くなっていき、赤外線になり、光の領域を超えると電波になります。
波の山から山までの距離=波長はnm(ナノメートル)という単位であらわされます。
波長と色の関係は下図のとおりです。
光の特徴についての説明は下記リンクがわかりやすいです。
光の正体は波!そして粒子 | キヤノンサイエンスラボ・キッズ | キヤノングローバル
で、赤外線というのは可視光を外れたおおむね780nm以降の波長を持つ光のことをいいます。
さらに赤外線の中でも、その波長の短長によって「近赤外線」「遠赤外線」という呼ばれ方をすることもあります。
ちなみに光の波長は長いほど遠くまで届きやすいという性質をもっていて、身近なところでいうと夕日が赤い理由もこれです。
太陽と自分の距離が遠くなるほどに、太陽の青の要素(短い波長の光)は空気中の水分などで散乱してしまって、残った赤の要素だけが私達の目に届くとき、空は赤く見えるのです。
赤外線写真とは
それで赤外線写真というのは、赤外線波長以下の波長をカットするフィルター(赤外線フィルター)をレンズに付けて撮影した写真のことを指します。
私が使っているのは、おおむね720nm以下の波長をカットするこのフィルターです。
冒頭で赤外線写真とは一種の白黒写真であると言いましたが、単なる白黒写真と大きく違うのは葉っぱや草などが白く写る点です。
葉っぱの表面というのは太陽光の赤外線成分を反射しており、赤外線写真を撮影したとき、その部分が光って見えることで白く写るのですね。
どんなカメラでも撮影できるわけじゃないのでご注意
赤外線フィルターをつければどんなカメラでも赤外線写真を撮れるのかと言えばそうではなく、うまく撮影出来ないカメラもあります。
これはローパスフィルターというフィルターがあらかじめ装備されているカメラです。
ローパス(低きを通す)、つまり波長の短い光成分だけを通すフィルターをつけることで、「モアレ」や「偽色」などの撮像センサーに対する光の干渉によって起こる現象を抑えることができます。
ただしその分解像度が犠牲になってしまうので、最近の高解像度機ではローパスフィルターが付いていない、ローパスフィルターレスのものも多いです。
自分のカメラにローパスフィルターがついているのかどうかは、レンズを外して撮像素子の色を見てみるといいと思います。
撮像素子が赤やピンク色に光っている場合、赤成分=波長の長い光を反射しているということで、ローパスフィルターが既に装備されているカメラである可能性が高いです。
ちなみに自分が使っているカメラはこれで、ローパスフィルターレスのカメラです。
フィルター詐欺にあった話
このできごとが結構おもしろかったんですが、私が最初に赤外線写真に対しての情熱を燃やして購入したフィルターはまがいものでした。
そのフィルターはAmazonで3000円と手頃な値段だったので、とりあえず買ってみるかと思って買ったんですが、全然葉っぱが白く光らない。
自分としても赤外線写真の撮影は初めてだったこともあり
「今日はちょっと光が弱いのかな(^^;」
「夏のピークを過ぎちゃったから、秋は赤外線成分少なめなのかな(^^;」
などと今冷静になって考えると面白いことを思っていました。
赤外線写真って撮ったばかりの写真は、全体的に赤い写真が撮れるのですが、そのフィルターを使っても赤い写真が撮れるので、これは光やカメラが悪いのではないかとしばらく思っていました。
しかし3回目の撮影をしても全然上手く撮れなかったんで、ようやくフィルターを疑いはじめたのです。
それで他のフィルターを探しはじめて、上で紹介したKenkoのフィルターの画像を見ると、色が青い。。。
いや、たしかに。
考えてみると赤色側の成分を撮影したいわけでフィルターの色は青(青色の光成分を反射している)で正解なはずなんですが、自分の手元にあったフィルターはすごく赤くて黒いレンズでしたw
可視光域の赤と赤外線は違うって言われたらそうかも知れないんですが、常識的に考えておかしい。
こりゃ単なるカラーフィルターなんだろうな、と思いました。
ということですぐにAmazonで返品の申請をしたところ、業者からメールがあり「一部返金で対応できないか」と言われたのですが「全く使い物にならないので、全額返金でお願いしゃす」と返しました。
すると業者は「OK、OK、すぐに返金します。」となぜOKが2回…というメールが送られてきてまだ商品が手元にあるのに全額返金が行われました。
それでこの商品どうするの?と聞いたら「送って返してこなくていい」というw
たぶん偽物だと知って売ってたのかなーって思いますが、こういうこともあるんだなーと思いました。
ふつうに肉眼で判断するのがむずかしい代物なため、注意したいですね。
α7Riiiで撮影した赤外線写真
そうして紆余曲折あって撮れた写真がこれです。
ちなみにニセフィルターで撮った写真がこちらですw
(^^;
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ネット上で探してもα7Riiiを使って赤外線写真を撮影した例は見つけられなかったので、これからα7シリーズを使って赤外線写真を撮影したいかたの参考になればと思います。
本日もG線上のきりんにおこしいただきありがとうございます。
それではまた!
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