こころ

あなたの生きているその瞬間に、花を添えたいんだよ

今見てるぼくの景色は、他人の目を通してみるとまったく別の景色に写るものであろうなあと、写真を撮る時にはいつも考えてしまいます。

できるだけ普遍的と思える写真を撮るのがよいのか、ぼく個人の目線に徹した写真を撮るのがいいのか。

一時期考えたことがありましたが、今となっては考える意味などないという思いに至りました。

ぼく個人の目線なんていうものは、今この一瞬だけのもので、ずっと変わりゆくものだからです。

また普遍的に思えるということも、ぼくという人間のフィルターを通したものである以上、同じく変わりゆくものです。

相対的なぼくからは絶対的なものが生まれることはありえないということですね。

なのでまあ、最近は「みんなからどう見えるだろうか」なんて事は考えず、自分の好きに撮らせてもらっています。

どうしたって無意識のうちに他人からどう見えるかって事は考えてしまいますからね。だからそこに敢えてフォーカスを当てて考えることは無駄だなあと。

自分の今の精一杯で、誰かが生きるようにと願った写真を好きに撮って、それでだめならもうしょうがないなあ、という気持ちです。

img_6078

img_6080

諦めるちから

先日、世界陸上のメダリストである為末大さんの「諦める力」という本を読みました。

この人はもともと短距離走を得意とする人で、子供のころは大会でもバンバン勝てていたらしいです。

しかし時間が経ち、自分も周りも成長してゆくにつれ、環境がかわり勝てなくなってしまったそうです。

そして苦渋の決断のとき。

自分の持っているもの、陸上界の環境、全てを冷静に考えたとき、メダルを獲得するためには400mハードルに転向するべきだとして、その道を進む事に決めたそうです。

そして、かれは世界陸上でメダルを手にしました。

感情的には、いままでやってきたことを手放すというのは大変に納得しがたいことだったと思います。

しかし、かれは感情を廃して冷静に論理的に、勝つための戦略をとった結果、メダルを手にするという栄光を手にしたのですね。

想いによって作られた目的を、実現するために論理を使う

まあ全ては結果論かもしれませんが。

しかし爪も牙もない人間の、唯一の武器である大脳を使って論理的に考えることを放棄して、想いだけで戦おうとするのは怠慢なのだと思います。

まず想いがある、そしてそれを実現するために論理を使う。

為末大さんは、自分のもっとも納得できるやり方を見つけて、それが自分に合っていたことで力を発揮できて、賭けに勝つことができたということですね。

論理的に考えると皆、最期は負ける

そして、こういう身もフタもない事を書くと誤解をされてしまいそうですが、ぼくが最近おもうのは、

人間というものは、命というものは結局、最期は「負けて死ぬ」ということです。

愛する人の命、自分自身の命、財産、名誉、全身全霊をかけて、守るために日々戦ってきたものたちを最終的には何一つ守ることができず、全て失って死ぬということです。

この場合に「負ける」という表現を使うのが正しいのかは微妙なところですが、論理的に考えると、やはりそこに行き着いてしまいます。

悲しくはないのですが、人間というのは、命というのはみんな、同様にさびしいものに思えます。

ここから導き出されるものは、ちっぽけすぎる自分を守ることの無意味さ、ですね。

生きていることはさびしいから、みんなそこに花を添えたくなるのだと思います。

img_6087

本日もG線上のきりんにおこしいただきありがとうございます。

ぼくも少なからず、魂などについて信じたい気持ちがありますが、いままで一度も実在を証明されたことがない以上、あてにして生きるのはむずかしい。

あったとしても、それは生きているうちに役に立つものではない気がします。

あるかどうか分からない以上、役に立ったのかどうかも分からいという意味で、ですね。

ぼくらが確実にあると言える瞬間は、いまここにしかないです。

 

この記事が気に入ったらいいね!しよう
🍀

更新情報をお届けします

関連記事

  1. こころ

    皆さんとっくにご存知かな。価値の正体ってなんでしょう

    「これには価値がある。」「これには価値がない。」ちょっとドラマチッ…

  2. 人間関係

    わざわざスピードを上げて、車線に入ろうとする車を妨害するドライバーについて

    先日、長崎県諫早市に向かう途中での出来事でした。同じ長崎県内で…

  3. 日記

    ルールは人を守ったり、ダメにしたりする

    先日、叔父の家でテレビを見ていました。政府の元偉い人が偉かった…

  4. コンピューター

    子供たちに通信端末を持たせることについての功罪

    彼女の妹へのプレゼント先日、彼女の妹が11歳の誕生日を迎えると…

  5. お金

    コンテンツ制作に携わる人々のブルース。次回のもくもく会で話したいコト

    一ヶ月の早さを感じております。次回のもくもく会についてです。…

  6. 写真

    SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMを購入したので写真付きレビュー

    当ブログも記念すべき100記事目となりました。いつも応援してくださ…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

スポンサーリンク

  1. レビュー

    終わらない青春と、眠らない体を。
  2. 科学

    蓄音機の原理を調べてみた。デジタル世代の僕にはむしろレコードが謎でした。
  3. こころ

    私達は国家からサービスを買っている。ベンチャー国家という思想。
  4. 日記

    不二家の金のシュークリームが美味しかったので、普遍性について考えてみた。
  5. Mac

    MacbookPro ME865J/Aが届いたので開けてみた、その所感。
PAGE TOP