先日夜、パソコンに向かって作業をしていると「ニッポンのジレンマ」という番組で人々が議論をする声がテレビから聞こえてきました。
自分くらいの年代の知識人たちが集まって、日本について語り合うという内容だったので割と見はまってしまいました。
自動化が進む社会
この世界において「良いもの」とされる事というのは、基本的に「良い部分」と「悪い部分」が同じ分量でセットになっています。
番組の中ではAI(人口知能)に関する話が盛り上がっていました。
AIや機械を用いた自動化っていうのは、人類にとって大きな挑戦であるし、とても夢がある話です。
しかし上で書いたように、きらびやかな物は、それによって産み出す影もまた濃いもので。
たとえば、これから更に、社会の自動化が進む事で何がおこるでしょうか。
失業者の増加
昔、駅の改札にはかならず駅員さんが立っていたものですが、自動改札機が導入されてからというもの、改札口の駅員さんの姿が消えて久しいとおもいます。
機械によって自動化をするということは、当然そこにいる人の雇用を奪います。
社会の自動化が進めば進むほど、人々の仕事は機械に奪われていきます。
今は単純な仕事が人々の手から機械に任されている状態ですが、これから先、AIの進歩とビッグデータの蓄積によって複雑な仕事も機械がこなすようになっていきます。
そうすると、これまで働いてお賃金をもらっていた人々が、十分な収入を得る事ができなくなってしまいます。
十分な収入がなくなった彼らは、消費活動をひかえるようになっていきます。
すると自動化をすすめている側の人々の収益も悪くなっていきます。
そうなれば更に社会を自動化するための投資はおさえられ、自動化を進める社会の動きはとても中途半端な状況でおわります。
しかし、すでに失業した人たちの仕事はかえってはきません。
さらに税収は悪化、社会の自動化は限定的なものにおわり、あとには大量の失業者が残ります。
ベーシックインカムの導入のタイミングが重要
これを防ぐために、失業した人たちをすみやかに救済する案が必要なのです。
現状、失業保険や生活保護などがありますが、もっと、「年収○万円以下には一律、月に15万円支給」みたいなですね。
こういう試みはベーシックインカムとよばれており、すでに欧州では一部実験をはじめているところもあります。
"ベーシック・インカム"必要最低限の給付をオランダで実験「幸福度が増す」
しかし、導入するにあたってのタイミングがとても難しいと思います。
機械による効率化と人々の労働のコラボレーションの成果がピークに達した時に導入しなければ、国の財政はきびしいものになるでしょう。
ピークを超えてしまえば、失業によって貧困を強いられる人が増えてしまい、消費が冷え込み、税収は悪化してしまい、導入は不可能となってしまう。
これからどの程度のスピードで自動化が進んでいくのか
われわれ人間には、そもそも「楽をする本能」のようなものが備わっているようです。
人類はこれまでも機械を使って、出来るだけ楽をしていく形で富を築いてきました。
この本能のようなものに従って技術を進めていくと、人がやらなくてはいけない仕事というのはこれからもどんどん減っていくことに間違いはありません。
そして理想的な最終形として「人間が働かなくなって良くなった」という功績にたいして、人々が平等に報酬を受け取るべき。という考えかたがベーシックインカムなのだと思います。
これが果たして人間の性質にどう影響するのかは、やってみなければわからない所だとは思いますが、このまま文明を繁栄させたければ自然とそこに到達せざるをえないという様な気がします。
そうでなければ、居場所を失った貧困者達によって、あらゆる場所で頻繁にテロが起こるでしょうから。
個人で簡単に運用できてしまう核兵器か、それに準ずる兵器が開発されてしまう前に、出来るだけ人類全体の幸福度を上げていく方法を探していかないといけないですね。
という事を今日は考えていました。
まあみんな、ベーシックインカムが出来たからって人の役にたつ事はやめられないと思うんですよね。
人の役にたちたいって思うのも人間の本能のようなものだと思うんです。
果たして人々はなんの見返りも求める事なく、助けあえる世界を創る事ができるのか。
ちょっと暗い事言っちゃったけど、結局のところ各個人ごとのレベルで、人の気持ちを理解するように務めて、愛をもって接する事以外に大切な事はないし、出来る事もないよね。最期のその時まで、期待と希望を持ち続けたいと思う。 #ジレンマ2016
— 920 (@qunyoel) 2016, 1月 30
本日もG線上のきりんにおこしいただきありがとうございます。
それではまた♪
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