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この間、させぼ通信という佐世保の情報サイトを運営しているタケディーから「石木ダムの建設予定地の川原(こうばる)ってところにいかね?」とお誘いを受けて行ってきました。
いやー「させぼ通信」、じつにプロフェッショナルなお仕事をしているなあと、いつも見させてもらってます。
ぼくは自分の興味のあることしか書かないアマチュアなので、こういう、お客さんを楽しませるぞ!みたいなスタイルのサイトには少し憧れていたりもします。
やっぱりプロはお客さんの喜ぶことを出来てなんぼなんですよねー。
話がちょっとずれましたね、そうそう、ダム建設予定地の川原地区に行ってきたのです。
この日は「させぼ通信」のもう一人の仕掛人であるフジムラさんも一緒でした。男3人、田舎ドライブです。
とても天気の良い日でした。
川原(こうばる)地区
波佐見 - 川棚間の本道をはずれて10分くらい走ったところにその地区はありました。
そこかしこに「ダムの建設反対!」というかけ札がかかっています。
住人のほとんどはダム用地の買収に応じてすでに土地を去っておられるらしいのですが、いまだに多くの住人の方が土地に残り、ダムの建設に反対されているようです。
たくさんの稲穂が実る、とても自然豊かな場所です。
また、ぼくは知りませんでしたが、ホタルがたくさん見られる場所としても有名なところのようです。
ダムについて調べてみたよ
この記事を書くにあたってちょっと石木ダムの事を調べてみました。
このダムの建設計画はそもそも1962年に作られたもので、この地方の治水のためでありました。
加えて平成7年、佐世保で大規模な渇水があったように、佐世保には水が足りていないという側面もあるようです。
これは佐世保市水道局のサイトにおいてあったグラフです。
んん?
排水量(水源ベース)って言うのが、そもそもどういう試算で出されているのかわかりにくいのですが、最大で3万㎥もの水が近年、日々不足していると書かれています。
毎日不足しているのに、なんで給水制限なり、断水なりが起こらないのだろうかと単純に不思議なんですが、水道局の出している資料はこのとおりです。
たいして、石木川まもり隊-ダムはほんとうに必要か皆で考えましょうでは別の、ちょっとおもしろい資料が見れました。
佐世保地区における水需要の予測と実績
工場用水については3年間で3倍くらいの水需要予測になってますが、なんか工場の建設予定がこの年にあったのかな?まあ結果は思いっきり外してますが・・・。
また、全体の給水量の予測も跳ね上がっていますが、これも実績は順当に右肩下がりなのがみてとれます。
佐世保市の人口は減少の一途を辿っていますから、そりゃそうだって感じなんですが。
昨今、さまざまな水まわり用品の節水技術も向上していますからね。
ほんとに水は足りていないの?
こちらの動画、クオリティが高くて面白かったです。
動画の中で佐世保の水は足りている事が数字付きで述べられていました。
参照動画以下より
また、上記で示した水需要予測について、根拠となる数字がないという新聞の切り抜きを見つけました。
まあ単純に佐世保に住んでるものとしての肌感覚で、水は別に不足してる感じないですもんね。
水不足による断水はおろか、給水制限ですら20年前以来ないですし。
実際的なところ佐世保市の水源のここ20年間くらいの年間平均貯水率がどう推移してるのか見たかったんですが、データがありませんでした。
水道局のウェブサイトには過去30日分のデータはあるので、問い合わせたらもらえるのかも知れませんね。
ダムのメリット
ダムを作ることでどういうメリットがあるのか考えてみましょう。
治水ができる
下流での洪水を、上流にあるダムでの放水量を調節する事によって、ある程度制御する事が可能になります。
今後天気の予測技術などが高まるにつれて、調整の効率も高まっていきます。
発電ができる
ダムの放流の際の水の流れる落差を利用することで発電することができます。これは燃料が必要でなく、半永久的に取り出せるクリーンエネルギーです。
ダムはきちんとメンテナンスを行えば非常に壊れにくいらしく、1900年くらいから今まで運用されているダムもあるそうです。
なので、一度作ってしまえば実に長く使える=低コストでエネルギーを取り出せるようですね。
水を好きな時に取り出せる
必要の無いときに水を貯めておき、必要なときに必要なだけ取り出すことができるようになります。
水が足りないとあらゆる産業、経済活動が成り立たないし、そもそも生き物は生きて行けないので、これはとても重要なことです。
ダムのデメリット
次はデメリットについて考えてみましょう。
ものすごくお金がかかる
用地買収、ダムの建造費、それらの全ての負担は結局のところ水を使用する人たちが支払うことになります。
佐世保市においても、すでに石木ダムの用地買収費用は水道料金に乗っかっているでしょうし、これからさきダムの建設が始まればさらに水道料金は値上げされるでしょう。
こちらで調べたところ、佐世保の水道料金は全国1228地域中313番目に高いようです。これ以上水道料金があがるのはちょっとごめんこうむりたい。
上の動画でも言われていますが、これからさきの人口減にともなって、何もしなくても水道料金は上がっていくでしょうからねー。
とは言え、昨今では政府の財政出動による公共事業の実施は、経済をインフレ化する影響があるとして、デフレで苦しむ日本にとってそれはありがたいことだという考え方もあります。
詳しくはこちらの動画でどうぞ
自然が破壊される
ダムになれば広範囲の地区が水の底に沈んでしまうので、そのあたりの植物は人工的に移動させない限り確実に全滅。
そこに根ざして生きていた人々は土地を追われることになります。
動物も逃げ遅れたものはみんな死にます。
ひとくくりに動物と言っても目に見えないほどの微細な生き物も野山には数多く暮らしているはずですからね。
これらを全て殺してその上にダムを作る事になります。
また川に棲んでいる水生生物たちも無事ではすまないものも出てくるでしょう。
まあその後あたらしい命の営みが貯められた水の中に生じていくのでしょうけどね・・・。
最後にぼく個人の意見を言わせてもらえば、ダムは要らないのではないかなあと思います。
四国のあたりは慢性的に水が足りていないようなので、そちらの方に作ってあげては?なんて思ったり。
やっぱり人口は減っていくわけで、この地域ではそんなに水は要らなくなるはずなんですよ。
これは半世紀前に石木ダム計画が出来た時には予想できなかったであろう現状の現実です。
作るのにもたくさんのお金がかかりますが、一度作ってしまったものは管理しなければいけませんからね。
ダムはでかい施設ですから、その維持管理費用もそうとうに高額になりますし、それらのお金は佐世保市民の財布から支払うことになります。
くわえて人間のエゴの為にものすごい数の生き物の命を奪ってしまうことになります。
結局、本当のところ水は足りているのかいないのか、話はそこに尽きると思いますが、本当にダムづくりの必要性があるのか関係者の方には真摯に考えて行動してもらいたいですね。
もしも目先の利益のためや、組織の慣習のためにダムの建造が行われるようなことがあるとすれば、やっぱりこれはおかしいぞと。
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