私の年代はいわゆるデジタルネイティブの1世代目に当たるのではないだろうか。
物心がついた頃、家には既にスーパーマリオがあった。
昼から夜の間スーパーマリオに没頭していると母親が嫌な顔をする事を子供心にも感じていたので、早朝4時ごろには布団から抜け出し、ファミコン朝活をする事にした。
まだあたりの薄暗い中、テレビの中のマリオになりきった私が、マリオのジャンプに合わせて正座の姿勢のままジャンプを繰りかえす姿を見た母親が「狐が憑いた!」と狼狽したという話もさもありなん。
子供をこれほどまでに熱中させるファミコンという存在に、これまで虫捕りや魚釣りや木の実拾いに情熱を燃やす子供時代を送った親世代は、得体の知れない恐怖を感じたことだろうと思う。
スーパーマリオの地下ステージでマリオの股下にコインを持ってきて「キンタマリオ」と言っては繰り返し兄弟で大爆笑をしていたのも、ずいぶん心証がよくなかったのではないか。
ある日ファミコンは母親の手によって隠されてしまった。
まあ、やるよね。#キンタマリオ pic.twitter.com/A3HHSX9YVe
— Hachi (@virtuafreaks) 2016年11月12日
そんな幼少期を過ごしてきた私であるので、今でもデジモノには目がない。
最近はわりと新しめのアイフォーンを手に入れた事で、好奇心を満足させる毎日を送っている。
iPhone7plusは各種のセンサーの完成度が素晴らしく、それらを駆使したアプリの出来の良さに連日舌を巻き続けているのです。
Sleep Cycle
特に気に入ったのが、「Sleep Cycle」という睡眠時間を管理するアプリ。
人間は睡眠中に、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という状態を行ったり来たりする事は皆さんもご存知であることだろう。
レム睡眠とは覚醒状態に近い浅い睡眠であり、この間に人間は記憶の整理を行うと考えられている。
一方ノンレム睡眠とは深い睡眠の事で、この間に人間は体力を回復させている。
このSleep Cycleというアプリは、マイクを使ってユーザーの睡眠を監視し、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルをグラフ化してくれるのだ。
そして指定した時間帯でもっとも眠りの浅いタイミングを狙って、雅(みやび)なメロディーの目覚ましを鳴らしてくれる。
実際、今朝「ぼちぼち起きる頃かな?」と目が覚めかけたタイミングでSleep Cycleの覚ましが鳴ったのには驚いた。
「見事にレム睡眠を見計らいおってこやつめ。ハハハ。」
という気持ちになり、朝からすこし浮かれた。
その上こいつには寝ている間のイビキを録音する機能までついている。
無料バージョンではイビキが録音されていることは分かるが、それを聞く事はできない。
「どうしても自分のイビキが聞きたい」
そう思ったオレは迷わず一ヶ月無料のフルバージョンを試す事にした。
そして今朝も3分に渡って録音された自分のイビキを聞きながら、人類のテクノロジーの進歩について密かに感動していた。
寝ている間というのは自分であって自分でないような物である。
よく妻に「昨晩、あなたの放ったオナラの回数とその匂いには凄まじいものがあった」などと言われる事がある。
悔しいが確かに、オレの腸が人に比べて弱いところのある事は認めよう。
妻が嘘をついているとまでは言わない。
しかし証拠もないのにオレが睡眠中に夜通し屁をこいていたなどという不名誉を吹聴される事には少々寂しさを感じるのである。
このアプリを継続して有料バージョンとして使うには年間に3000円の料金がかかるらしい。
もしもこのアプリが寝ている間に屁の音を録音し、カウントしてくれるならば、オレは年間3000円も惜しくはないと思っている。
どうせそこまでするならば、歯ぎしりや寝言も録音してくれればいいと思う。
これらは全てオプションとして販売なんていうのはどうだろう。500円までなら出す。
Sleep Cycleの開発者の方々、こんな機能を付ける予定はないのでしょうか。
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