子供がぼちぼち1歳になる。
あっという間だったなあと思いつつ、産まれたばかりの頃の写真を見返してみるなどしている最近。
「もう写真の中の、片腕にすっぽりと収まるくらいの頃の子供には会えない。」
酒をあおりながら試しに感傷的になってみると、鼻の奥がツンとしたりもする。
揺れる我が家
子供が1歳になる。
つまり1年間の育休期間が終わり、妻は時短正社員として仕事に復帰するのだ。
これにともなって子供は保育園に通うことになる。
幸い義母が勤めている保育園に空きがあったので、子にしてみれば祖母のいる保育園に通うことになった。
というか、すでに一ヶ月ほど前から「慣らし保育」といって時短で保育園に預けるということを始めているのだった。
そしてこのことが子に対してストレスを与えているだろうことはおそらく間違いない。
一時は落ち着いたかと思った夜泣きの頻度がものすごく増えた。
これまでベッタリだった母親と離れ、知らない顔ばかりの部屋で一日を過ごす。
その中に祖母が居てくれることは子にとって本当に幸運なことだとは思うのだが、やはり赤ちゃんにとってお母さん欲は絶大なものがあり、その穴を埋めるのはおそらく他の人間では不可能なのだと思う。
そんな中で、1ヶ月の間にすでに2回風邪をもらってきている。
これまで一度も風邪を引いたことがなかった子が40度の熱を出した時には本当に肝を冷やした。しかしその数字のインパクトとは裏腹に見た目はかなり元気に動きまわっており、食欲も旺盛だったのには更に驚かされた。
ただ、問題は鼻水だ。
鼻が詰まって夜中に子が目を覚ましてしまう。ただでさえ夜泣きで起きるのに、鼻詰まりでも起きる。
突然、「ウワーン!」と言って起きる。
そんなこんなで父と母も徐々に疲弊していくのであった。
仕事と育児の両立が想像以上にヤバい
今はまだ妻が育休中で、夜泣きの子を率先してお世話してくれるので、自分は2~3時間おきに起こされながらもなんとか睡眠を取ろうと努力することができる。
しかし、妻が本格的に仕事に復帰してしまったら、どうなってしまうのだろうと今から不安がいっぱいである。
1ヶ月間の「慣らし保育」期間だったが、結局行けたのは一週間程度だったことも不安が残る。何しろ私は子供を持つまで知らなかったのだが、熱が出たら保育園には登園できないのだ。
知ってましたか皆さん?私は知りませんでしたよ…!
熱が完全に下がってから24時間後でないと、再び保育園の敷居をまたぐことかなわないのである。
そしてようやく治ったと思いきや、保育園では子供同士でヨダレの回し飲みみたいな様態なので、すぐにウィルスや菌をもらってきてそれでまた体調を崩すのです。
子供が熱を出すと、病院に連れていかなければならないし、誰か預ける人が居なければ熱が下がるまでついていてあげなければいけません。
え、これ、都会に出て身内が近くに住んでいないシングルマザーとかどうやってんの?と本気で不思議なんですが、これは…。
年間20日の有給休暇があったとしても、6~7回子供が風邪引いたらなくなっちゃうよなあと。
なお、子供の看病時にはだいたい親も病気をもらいます。
子供がゴホゴホと苦しそうだったので悲しくなって抱きしめたところ、子が思い切りくしゃみをし、そのヨダレと鼻水を拭った手で私の口まわりを触って来ました。
無事、翌日私も子供と同じ症状(発熱、喉の腫れ、くしゃみ鼻水)を発症しました。本当にありがとうございました。
以前、私の勤めている会社に子育て中のシングルマザーの方がパートで入って来られたことがあったのですが、それこそしょっちゅう子供の病気で会社を休まれていました。
当時は子供が病気をしたときの対処の難しさ、子供の風邪の引きやすさに想像が及んでいませんでしたので、「こんなに短期間にこれほど子供の病気で休むなんて、さすがに本当は別の理由があるんだろう。まあ私だってサボりたい時はサボるしなー(^q^)」なんて思っていた自分の愚かさに、今は胸が苦しいです。
いや、っていうか一人で子育てって半端じゃないよ!全然想像つかないよ!
でも、独身時代の自分がこういう具合だったわけで、意外とみんな本当に子育て中のこういうこと分かってないんだろうなーと思います。
自分が苦しい立場になってからこう言うのはおこがましい気持ちですが、社会的にこういうことをもっと教育していくべきだよなあと。
核家族化の進んだ現代において、子育ては周りの理解なしには不可能なんじゃないかと思います。
核家族化と育児
とはいえ私は保育園に通わせることについて賛成の立場でした。
かつて人間の乳児死亡率は今よりも非常に高く、そのためお母さんは子供をたくさん産む必要があったという人間の歴史があります。
子供を産むとすぐに次の子供を産むので、1人の子供にかかりきりになれる時間は約一年。
その後は兄弟や姉妹がその子を育てていくということになる。
聞くところによると、子供が親の言うことを聞かない理由もここにあるらしく、子どもたちにとって自分たちが生きる社会は兄弟姉妹との関係の中にあり、そこの秩序が最優先されるために親の言うことを聞かなくなるのが普通なのだという説を見たことがある。
だから子供は自分に似た少し年上の子供に対して最もなつきやすいという性質を持っているとも。
すこし話がそれたが、人間関係の中でうまくやっていくというスキルはそれこそ産まれてから死ぬまで役に立つ。
人間の性質がそういうものであるなら早いうちに慣れさせておいたほうがいいと、私自身は思っていました。
ましてや祖母の勤めている保育園なら言うことなしだなあと。
とは言え昔とは大きく状況の違う部分もある。
核家族化だ。
我が家もご多分にもれず、それぞれ夫婦ふたりの両親とは別の家に暮らしている。
そして常に圧倒的な人手不足を感じている。
そもそも、子供は両親二人で育てられるようには設計されていないのではないかと思う。
もともと人間は群れで暮らす生き物なので、多分、かつては祖父母はおろか従兄弟までくらいを巻き込んで一つの拠点で子育てしていたのではないだろうか。
それが物質的には昨今の家事の自動化の発達や、精神的にはプライバシー重視の考え方が根付いた結果、現在のような子育てスタイルに着地したのかなと思う次第です。
テクノロジーの恩恵を受けたとしても、こうやって生活スタイルを変えていってしまうことでプラスマイナス0になり、生活の余裕は向上しないっていう一つのケースなんじゃないですかねー、これは。
大きな家に一族郎党1人1部屋ずつ持って暮らしていけたら問題解決じゃん!って思いましたが、仕事は都市部に集中しますし、都市部は空間価格が高額だしで、なかなかままならない世の中ですなー、などと思いながら過ごしている今日このごろです。
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なんのかんの言いましたが、子供を育てるのはとても楽しいです。
国による子育て支援について、これも欲を言えばキリがないですが、昔よりも今は色々と手厚いようです。3歳からは保育料が無料だったり、高校の学費も無料になったりしたみたいですね。
何といっても日本の健康保険の制度ってなんて素晴らしいのだろうと子供を持ってから感じることが増えました。
ワクチンはバンバン無料で打たせてもらえるし、日本であれば基本的に子供が病気になっても治療ができないなんてことはありません。
乳児死亡率は、100年の間に劇的に改善しています。
この一点だけを取っても、日本は昔より良くなっていると言えると思います。
それほど、子供の安全というのは感情的に何物にも代えがたい。
まがりなりにも国家が安定しているのはまさに健康保険、それと生活保護のおかげかなと。日々命の危険を感じずに生きていけるというのは本当に素晴らしい。たとえ命に危険が迫ったとしても、何かしらの状況改善手段を検討することができるというのは生きていくための勇気そのものな気がします。
いやー、次代に受け継いで行きたい、本当に素晴らしい制度ですね。
あとはもう少し、子育ての負担が軽くなればなーと。
まあとりあえず子供が病気したことの証明を病院が発行したら、両親のどちらかが2~3日自動で会社を休めて、休んだ間の賃金は企業ではなく国が負担するくらいの仕組みはあっていいと思います本当に。
そしたらお母さんも今より気兼ねなく休みを取ることができるし、子供も健やかに育つというものです。
やはりかつてとはもう全然時代が違うわけで、悲しいかな、家族みんな一緒に暮らす時代ではなくて。
そしてそれはみんなが経済合理的に動いた結果であることは間違いないわけで。
教育費の高騰によって共働きの家庭が増え、家族と離れて都市部に仕事を求めたり、長期のデフレによって大きな土地や家を買うインセンティブが薄まって来たりなど、これらの責任の一端はやはり政治にあることも間違いない。
時代に即したルールを新設し、次代の消費者であり生産者である子どもたちと親を大切にしてもらいたいと思いますね。
いやー、親の立場で言っちゃうと完全にポジショントークですけどね(笑)
でも、これから日本に子供を増やそうと思えば本当に大切なことだと思います。
本日もG線上のきりんにおこしいただきありがとうございます。
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