日記

ばあちゃん

2週間前、祖母が入院した。

もう父方の祖父母と母方の祖父を亡くしてしまった私にとって、唯一残ってくれている母方の祖母です。

急に熱がでて手が腫れて、食欲がないということで入院の運びとなったが、入院直後に会いにいった時には割と元気に見えた。

もう随分耳が遠くなってしまっていて、私の言葉がおそらくあまり聞こえてないと思われる中でも、ニコニコとうなづいて問いかけに応えてくれた祖母でした。

しかしつい昨日、病院を移ったということでお見舞いに行くと、祖母はまるで2週間のうちに10年も年をとったかのような状態になっていました。

とても辛そうな表情で、声は音にならず、ベッドに体重を預けっぱなしの祖母。

見ていてとても辛かった。

私の知る限り、祖母は決して、運命からそういう仕打ちを受けるような人ではないはずだった。

戦後の貧しさの中で3人の子供を育てあげ、職人仕事をしていた祖父を支え、たくさんの愛情を私達に注いでくれた。

病床の祖父を身を粉にして看病し、最期を看取った。

「じいちゃんは寂しがりだったから、私が最後までついていて見送れたのが本当によかった」と、よく笑っていた。

そんな祖母が、今は老人たちのベッドが4つ並ぶその一つに、静かに横になっている。

よく見えない目、よく聞こえない耳、思う通りに動かない痛い体で、ながいながい時間を耐えている。

かすかに聞き取れた祖母のかすれた声は「こんなになっても、まだ死にきらん(死ぬことができない)」と言っていた。

私は、もう、まだ祖母が元気で希望にあふれていた頃の、きれいな思い出の夢を見せる薬があるなら、それをしこたま祖母に打ってあげてほしいと思った。

そうでなければ、あまりに人生は悲しい。

あんな祖母をみたあとに「まだ若い私達は、今を楽しんで生きよう」なんてまったく思えない。

数十年後、私が年老いて、もう思い残すことがなくなった時には、最後くらいきれいな夢の中で逝きたいと思うとおもうよ。

今日もこれから会いにいくよ、ばあちゃん。

 

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