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僕はコンピューターが大好きです。
人類が誕生してかれこれ500万年から800万年と諸説あるようですが、命をつなぎ、文字を獲得し、そこから文明を築き、ついにコンピューターというものを作り上げました。
初めて電子計算機、コンピューターが完成したのは1942年という事ですから、人類はとてもとても長い時間をかけてようやくコンピューターを完成させました。
コンピューターは現在もムーアの法則と呼ばれる「コンピューターは1.5年で2倍の性能になる」というルールを維持して進化し続けています。
これは20年経つと、その性能が実に10321.3倍になるという事です。
このコンピューターの進化に乗って、現代IT社会は指数関数的に発展していってるのですね。
そんな世の中がこれからどうなるのか、僕なりに少し考えてみました。
コンピューターによる近い未来について
本格化する監視社会
Windows10がユーザーのネット閲覧情報などをMicroSoftのサーバーに勝手に収集するようになっているらしいと最近のニュースで見ました。
この手の話は最近徐々に問題になっていますね。ちょっと前ではNSAの元職員スノーデン氏が語った米国のコンピューターネットワークを使った諜報の実態。
全て真実であるならば、そら恐ろしい事です。
よく、「自分なんかの個人情報なんて誰が欲しがると言うんだ?好きに集めさせれば良い」という人がおられます。
しかしどんな人だって将来どんな人になるかなんてわからないですし、もし公的に重要なポストに就くこと事があったとすればスキャンダルのネタは過去のデータからいくらでも掘り出せてしまえる訳です。
そうなる事で人に迷惑がかかる事もおおいにあり得る訳で、やすやすと自分の情報を抜かれ続けて良いわけがないと、個人的には思います。
人々がプライバシー喪失をしていく流れは次の事から更に加速されるだろう事が予想されます。
はじまるIOT社会
IOTとは「Internet of Things」の略です。
簡単に言えば全ての物をネットワークに繋げようとする計画の呼び名です。
今まではパソコンやスマホがネットにつながって便利という世界でしたが、これからはもっと細かな物までネットワークに繋がる事になります。
例えば、まず家電全般がネットワークにつながり、車がつながり、ペンだってネットワークにつながってしまうかもしれませんね。
ネットワークにつながった物は人々の膨大な情報を吸い上げて保管します。吸い上げたデータを用いて企業は人々に販促広告を出したり、新商品の企画をしたりするようになるという事です。
そして、それらの家電にはカメラやマイクが付く事になりますよね。
これはどういう事を意味するでしょうか。
脅かされるセキュリティとプライバシー
先日、Android(スマホのOS)業界に大きな問題が起こりました。
それは、あるムービーファイルをメールで受け取るだけでスマートフォンの全機能が乗っ取られてしまうという致命的なバグでした。
7年前から開発されているシステムだとしても、こういうバグがまだまだ発見され得るのです。
もし、この様な事がIOT社会においても起こるとしたらどうなるでしょうか。
ご家庭からプライバシーは吹き飛んでしまいます。
そしてこれらを、ある権力者層が意図的に操作できるとしたらどうなるでしょうか。
マイナンバー制度で強化される管理社会
ぼくが最近、来るところまで来たなあと思うのはこれ、マイナンバー制度についてです。
国民全員に唯一無二の数字を割り振るという考え方は、効率化という事において一つの到達点と言えると思うのですが、様々な個人情報の漏洩が問題になっている現在、漏れないわけがないと言えます。
加えて監視社会にこのマイナンバーが組み合わさると、管理する側からして非常にやりやすくなります。
何しろ、その個人のもつマイナンバーは一意でありますから、データベースにその数字で検索をかけてやると、その人に関する事を瞬時にすべて引き出す事ができるわけです。
そしてこの番号は今後チップとして人体に埋め込まれるようになるでしょう。
すでに現在、セキュリティ会社のカスペルスキーが、実際に社員の手のひらに認証チップを埋め込んで運用テストをしています。
昨日のニュースで消費税の還付をマイナンバーを使って行うという記事を見ましたが、いちいちカードを出すならチップを埋め込んだ方がマシだという人が出てくるでしょう。
管理体制側の人間は、今後更に小型化、ウェアラブル化(スカウター的な)するデバイスで目の前の人間の、IOTで集められた全情報をリアルタイムで参照する様な世の中になるのではないかと思います。
他人に日常生活すべての情報を握られるかも知れないというのはとても気持ちの悪い事です。
ITがこのまま発達すると、以上の様なことになるのは想像に難くないですね。
世界がひっくり返る可能性
上に書いたのはシステムが正常に働き続ける場合の話で、別の結末もありえます。
日進月歩で新たな技術が開発される現在ですが、そのテクノロジーも既存のテクノロジーを基板として積み上げられて行きます。
根っこに近いテクノロジーに大きなセキュリティホール(バグ)がないとも限りません。
そこを発見して悪用するような人間がすべてネットワークでつながった世界を牛耳ってしまう未来も考えられます。
そうはならなくとも、こんな安全でない物(コンピューター)を担保に商取引は出来ないという事になってしまうと、20年前の全て紙ベースの世界に逆戻りです。
陳腐なSFのような話ですが、可能性は0ではありません。
これから出来る事
安全を自分で探す力
これまで通りのITの進化の中で生きようと思えば、今後ITを適切に認識、利用する能力を育てる事が不可欠であると思います。
今後更にITデバイスは簡便化していく事が予想されますが、それはつまり中身が余計にわからなくなるという事です。
言ってしまえばWindowsなんかは、このまま行けばもう限界なのかなとすら思います。
AppleのiPhoneだって、電源を切っていても盗聴出来ると元NSAスノーデン氏の話もあります。
あまりにも巨大な企業ゆえに、管理体制側と癒着をまぬがれず、今後ますます人々のプライバシーを脅かす事になるでしょう。
これからはオープンソース・ソフトウェア(誰でも中身を全て見ることが出来るソフトウェア)とその精神性がとても重要になってくると思います。
ネットワークを避ける生き方
先日、面白い記事を見たのですが、米国ウェストバージニア州にあるグリーンバンクという場所は電波規制地域「National Radio Quiet Zone(NRQZ)」に指定されているという事です。
近年、電波の氾濫する都会において「電磁波過敏症」(電波に反応して体調が悪くなる症状)に苦しむ人々が多く移住しているという事です。
こういう特別地域がこれから増えていくのかも知れませんね。
ここまでITが支配する世の中になってくると、むしろ逆方向に走るのも有りなんじゃないかと思う今日このごろです。
最後に
とはいえ、僕はよくこういう事を考えます。
いずれ成熟するコンピューター文化はコンピューターに生命(の様なもの)を与えるかもしれません。
そして意思をもったコンピューターが宇宙の真理の探求を人間に代わって行うのではないかと。
まあだいぶ突飛な話だと思うのですが、新しい生命を産み出すというのは人類の一つのゴールなのかなと思います。
ようやく手に入れる事ができたコンピューターというものすごい可能性を、正しい方向に利用できるのか、人類は試されているのかも知れませんね。
それではまた。
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