レビュー

池上彰さんの「おとなの教養」を読んだ

本屋に寄って平積みの本をざっと見た中で面白そうだったので買ってみました。

自由七科の教養の事をリベラル・アーツと呼んだりもするらしいです。この本の中で初めて知りましたが。
詳しくはリベラル・アーツ – Wikipediaでどうぞ。

日本の大学では専門性の高い事を教えて、社会に出て即戦力となれる教育が主らしいのですが、欧米の方ではむしろ教養を身につける教育を重視しているとか。
「すぐに使えるものはすぐに廃れてしまうものだ」という考え方らしいです。僕もこの考え方には非常に共感できます。

教養とはそもそも何か

この本の中で池上さんは「教養とは自分が何者かを知ることである」とおっしゃってます。
その上で池上さんがいつもの、わかりやすい語り口でざっと色々と教えてくれる感じです。

この本の中で一番おもしろかった部分は宗教と経済、そして日本人についてですね。

教養の不足がちな僕は、宗教って科学とかけ離れている、対極に存在するようなものだと思っていたわけです。
しかし実際のところ、どうやら人類は宗教を起点として発展していったらしい事がわかります。

たとえば、過酷な自然の脅威による、死への恐怖から逃れる為、理解するために、人々は神を想いました。
その精神活動が科学的思考へと発展していったという事みたいですね。

そして宗教は経済にも大きな影響を与えます。
たとえば、資本主義が発展したのは公私ともに厳しい戒律に縛られているプロテスタントが発展させたという説があります。
彼らはどれだけお金を稼いでも決して弛まぬ事を教義としていることから、その他の宗教の人よりたくさん働き、資本主義の中でいわゆる勝ち組になったという事です。

日本人について

僕は日本人の魂というのは、それこそ日本ができた頃から受け継がれて来たものだと思っていたんですが、そもそも日本が出来たとされる時期は3世紀、5世紀、7世紀ごろと諸説あるらしいですね。

本の中では、近代における「日本人」という概念は1873年(明治6年)内外人婚姻条規の発令という、日本で最初の国際結婚に関する国籍法によって出来たと書かれています。
それまで日本に住んでる人はみんな単に「日本の人」だったわけですね。

結局のところ、純粋生粋の日本人なんてものはどうやら存在しなかったという事でしょうか。

自分たちが「日本人である」というアイデンティティーも本当にごく最近、ゆっくりと教育によって育まれていっただけで、それ以上でも以下でもなかったという事です。
2度の大戦を経てここまで来た人類の一員として、なんだか考えさせられるなあと想いました。

という事でみなさんの中にも教養が不足しているかも知れないと思う方がいれば、ご一読されてみてはいかがでしょうか。

それでは、また。

 

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