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人間の意識というのは顕在意識と潜在意識に分けられているといいます。
意識
顕在意識(けんざいいしき)
顕在意識とは、例えば僕らが魚のさし身を見た時「しょう油とワサビかけてぇ」と思うやつです。
顕在意識に導かれ、僕はしょう油とワサビを刺し身につけて美味しく食べます。
潜在意識(せんざいいしき)
ぼくら生きていると毎日色んな判断を迫られていますので、それらをいちいち考えながらやっていると時間も能力もいくらあっても足りません。
なので、その部分を自動化する能力が人間にはそなわっています。
この自動化する力のおかげで、お食事時に「一本の箸を鉛筆のように握り、もう一本の箸を下の方から親指で支えて、これを使って私はご飯の山の3センチ程度下を彫り・・・」なんて面倒くさいことを考えずに楽しくご飯が食べられるというわけです。
この自動化されている部分というのがいわゆる潜在意識、無意識とよばれる領域で、よく氷山で表現されたりしますね。
氷山というのは海の上に出ている部分の氷の何倍もの氷を海の下に隠しているわけですね。
顕在意識と無意識の比率は意識4%、無意識96%と言われており、いかに僕らが無意識に影響をされているかがわかるかと思います。
環境保護にまつわる署名をした人の無意識に起こった事
さて主題の件に話を戻しますが、これは実際に実験されたことです。
交通安全ボランティアを名のる研究者が住宅地をまわって「安全運転をしよう」と書かれた大きな看板を庭においてもらえないかと家主に相談を持ちかけました。
その際に写真を見せるのですが、看板はとても大きく、かっこよくもなく、家の外観は看板で隠されてしまうようなものでした。
当然、大多数の人はこの提案をおことわり、承諾率は17%となりました。
しかし同時に実験された別のグループでは76%もの承諾率をあげました。
この驚くべき承諾率をあげたグループですが、この様な結果が出たのには2週間前の出来事が影響しているようです。
実はこのグループの人たちには2週間前に別のボランティアが訪れ、「安全運転をしよう」と書かれた小さなシールを軒先に貼らせて欲しいと頼まれ、それを承諾していた人たちでした。
この人たちは、交通事故撲滅にたいして大きな感心のある人たちだったから看板設置の承諾率があがったのでしょうか。
別の住人グループで実験が続いた
これをつきとめるため、ちょっとだけ違う実験をやることになりました。
対象のグループに「街を美しく保とう」という嘆願書への署名をしてもらいました。
みんな気軽に署名をしました。ふつう、断る理由なんてないでしょうからね。
2週間後、そのグループに例の出来が悪い「安全運転をしよう」と書かれた看板を庭に設置させてくれと提案をしにいくと、約半数の人が、その提案に応じたそうです。
なぜこの様な事が起こるか
署名や、シールをはる事によって「自分は公共心豊かな人間だ」という自分自身の見方をするようになった結果、この様な事が起こったと専門家は結論を出しています。
人は一貫性を無意識に求める
人間は社会的な生き物なので、無意識のうちに一貫性を求めてしまうもののようです。
一貫性のない人間よりも、一貫性のある人間の方が信用され、生きやすい、ゆえに一貫性をもとめる。というのはわかりやすい図式ではないでしょうか。
この「一貫性を求める」人間の習性によって、看板の設置の承諾率が大きくかわったということです。
この実験のしめす、無意識を悪用されることの恐ろしさ
看板の設置を承諾してしまった人たちは、出来のよろしくない看板が運ばれてきたときに「俺はなんでこんなお願い聞いてしまったんだろう」と思うだろうとおもいます。
業者が去ったあと、大きな看板を見上げ、手で撫でながら「フッ・・・いいカッコしたばかりに大変な事になっちまったぜ・・・」的な。
看板を設置した人々の中で、2週間前の署名に原因を求めた人がいたか
おそらくいないでしょう。
そう、ここが一番のポイントなんですが、この実験ではめられた人たちは自分自身にしか責任をもとめないという事です。
しかし、この実験を書いてある通りに受け止めると、2週間前にした署名が看板の設置の承諾率に影響していることは間違いなさそうです。
ということで、皆さんにおかれましてもこんな事にならないよう、ごくごく小さな要求もそれを飲んだとき、自分のなかに変化が起こるという事を自覚していただければさいわいです。
本日もG線上のきりんにおこしいただきありがとうございます。
それではまた♪
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