レビュー

あなたはもうバーチャル・リアリティ(VR)の致命的な欠点を知っているか

先日、友達がVRデバイスOculus Rift(以下オキュラス)を購入したと言うので、どんなもんか試しに遊ばせてもらいに行って来ました。

Oculus Rift | Oculus : https://www.oculus.com/rift/

彼は華の独身貴族。彼の部屋はまるで大きなおもちゃ箱のようです。
オキュラスの購入に勢いづいた彼は、オキュラスで遊ぶレースゲームを堪能するため、ハンドルとアクセル型のコントローラーまで購入しておりました。

以前、福岡の天神でVRを体験済みの僕と言えども、これから始まる未知の世界の経験に、自然胸が高鳴ってゆくのでした。

いざ体験

ハンドルを掴む。スノコで組まれたコックピットはなかなかに頑丈でした。
そしてオキュラスを装着。「うわー」

隣になんか変なオッサンが居る・・・!
紙を持ってぶつぶつと呟いていました。

瞳孔が開きっぱなしの外国人のおっさん

車の外を見ると、見る角度によって木が不自然にダンスをしている。

視界を動かすと、それに合わせてクリクリと向きを変える木たち

リアルとアンリアルの境目、なんという奇妙な世界でしょうか。

そしてアクセルを踏み込んでいよいよスタート!

この時初めて、僕はVRの欠点に気が付いたのでした。

VRの欠点

景色は車の速度に合わせて通り過ぎてゆくのに、体には一切のGがかからないのです。
これは気持ち悪すぎるw

僕もビデオゲーム世代の申し子みたいなものなので、レースゲームもまあ得意なもんでちょっとプレイしたらすぐにスイスイこなせるようになるものです。普通は。
しかし、この時は還暦を迎えたうちの母親みたいなプレイしかできませんでした。

ヨタヨタとカーブを曲がる度に吐き気を催し、それゆえ更に車は暴走を重ねるという生き地獄。VRとレースゲームを組合せるとゲロマシーンになるという事を知りました。

僕はついに、マップの半分も消化しない内に逆走状態のまま、息も絶え絶えにコックピットから這い出たのでありました。

息も絶えだえに

すっかり慣れていた友達

僕「オレ、これ、無理なんだけど・・・」

友「マジすかー、オレも最初ムリでしたけど、揃えるのにかなり金かかったんで意地でやってる内に慣れましたよw」

友人は素早くコックピットに乗り込むと、スムーズに車を運転しはじめました。

うわー、こいつ逞しいなあと。

いやしかし、VRがあればいろんな事のシミュレーションが出来るようになると思っていましたが、スピード感に対してGがかかるという物理法則を再現できないのはかなりきっついんじゃないかなーと思った次第です。

ワープする移動法に納得

近未来都市でイカれたロボ達を暴力を以って鎮圧するというゲームをやらせてもらったんですが、それは移動方法がワープだったので良かったですね。

目が怖いイカれたロボ達を撃つ

どこに移動するかを放物線のビームみたいなので指定して、その際に方向まで決めてやって、そこにワープするのです。

これは移動にともない景色が流れるという事が起こらないので全然酔いませんでした。

改めてVR世界の中を見ると、もう本当にすごい。
ピストルは本当に手に持っているようだし、ロボットのメタルな質感も本当によく出来ていました。

そいつらに囲まれて一気にこちらを見られるシーンがあるんですが、あまりのリアルさに本当に肝を冷やしてしまいました。

ビルの高さ、空の高さ、空間の広さがもう半端ない。
家の中にいる事を忘れてしまうような経験でした。

オキュラスを外した時の
「あ、オレここに居たんだった」感は、これまで味わった事のない違和感でした。

ホラーはやばすぎ

youtube に転がっていたVR用のホラーコンテンツを試してみたんですが、もう本当に最悪でした。

ゴーグルなので、部屋が真っ暗になる演出の時には目の前が真っ暗になりますし、いかに目をそらそうと頑張ってみても、驚かし役の幽霊はスッと目の前に現れてきます。一番ヤバイシーンで友人に強く肩を掴まれた僕は悲鳴を上げてしまいました。

余りにもわかりやすい日本人形はやっぱりちゃんと怖い

ジェットコースターは地獄

さて、VRといえばジェットコースター。
試してみましたが、完全にオキュラスは嘔吐誘発マシーンと化しました。
レールを見ていると速度感を感じてしまうので、プレイ中はずっと大空を見てやり過ごしました。

今後人類は2種類に分かれる

VR酔いをする人種と、そうでない人種です。
恐らく、Gを自在に発生させる装置というのは、重力を自在に操る事が出来る科学技術が生まれるまでは、作るのがかなり難しいのではないでしょうか。

こういう装置が出来れば短時間ならGを再現できるかも?長時間回されると頭に血が上ってしまう

VR酔いをしない人間は、色々なアクティビティをVRで楽しむ事ができますが、VR酔いをしてしまう人間は、その場所にとどまって顔の向きだけで遊べるコンテンツしか楽しむ事ができません。

うーん、寂しい。

本日もG線上のきりんにおこしいただきありがとうございます。

あの幼少時代にハマり狂ったスーパーマリオの世界が、なんとたったの30年足らずにここまで進歩してしまったという事実。

このVRの世界を知ることなく死んでしまった人はかわいそうだと友達と語り合い、同時にこの世界を築き上げてくれた世界の技術者たちに感謝をしました。

実はエロいコンテンツもちょっと見せてもらったんですが、文明がヤバいレベルでヤバかったです。この話はまた別の機会にでも・・・。

いやあしかし、こんなものが手軽に楽しめてしまう時代がくるとなると、ちょっと怖いような気すらしてしまいますね。
そのくらいのインパクトを秘めているという事を感じる技術です。バーチャルリアリティ。

OculusVR、マジでスゴイです。

 

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