レビュー

映画「この世界の片隅に」を見てきたよ!

twitterなんかでやたら評判が良かったので、見に行こう!と思って地元の映画館の上映スケジュールを確認すると、上映されていない…。

うちは田舎のほうだからデータが送られてくるのに2週間くらいかかるのだろう。と納得し、長崎市内の映画館に行ってきました。

みらい長崎ココウォークの「TOHOシネマズ長崎」です。

公式サイト
11月12日(土)全国公開 劇場用長編アニメ「この世界の片隅に」

以下に映画のレビューを書きますが、多少のネタバレも怖い人は見ないほうがいいと思います。

とはいえ第2次世界大戦時の広島の呉の街の日常を描いた話なので、ネタバレもなにもないかとは思いますが・・・。

映画のレビュー

この映画の主人公は「すず」という名前の女性です。

広島市に生まれ育ち、呉の街にお嫁に行きます。

大きな港のある呉は、当時から現在まで重要な軍事拠点です。

そこに住む一人の主婦としての「すず」さんの目線で、日常を淡々と描いてありました。

史実のとおり、時が経つにつれて日本の置かれている状況は悪くなってゆきます。

配給は減り、生活必需品の物価はあがり続けてゆく。

その中でも、なんとか家族がひもじい思いをしないでいいように、試行錯誤を重ねます。

周囲の住民と助け合って家の横に防空壕を掘り、昼も夜もなく一日に何度となく鳴らされる空襲警報の度にそこに逃れる。

そして、ついに訪れる1945年(昭和20年)8月6日  ---

この映画の中では誰も「戦争は嫌だ」という事を言いません。

戦後バブルの後に生まれた僕らが「こんな不景気な世の中は嫌だ」と言わない事に似ているような気がします。

現実を粛々と受け入れて、皆その中で出来ることを精一杯やろうとします。

子どもは戦艦や軍服になんの疑問も持たず、ただただ憧れています。

現在から見れば非日常そのものである、アメリカ軍の戦闘機や爆撃機の来襲が、当時は現実と絶妙に折り合っていたのだろう事を感じさせました。

端的にいえば、「生きる」という事を改めて考えさせられた映画です。

じつに我々人間は、どんな過酷な状況に置かれようとも、とにかく生きて生きて生き抜いてゆくという激情に背中を押されて生きる他ないのだな。と。

本日もG線上のきりんにおこしいただきありがとうございます。

画像は呉市立美術館サイト内からお借りしました。

画像は呉市立美術館サイト内からお借りしました。

女性主人公の映画なので、どちらかというと男性よりも女性の方がダイレクトに通じるものがあるのかも知れません。

可愛いらしい絵柄とはうらはらに、人々が終わりの見えない泥沼を這いつくばって生きていくその姿に、人間の本質が描かれていた気がしました。

第二次世界大戦という手垢にまみれた題材ですが、史上最悪の時代だったからこそ、その中から得られるものもまた、良くも悪くも輝き続けるのかと。

この映画の主題歌、「悲しくてやりきれない」も、この映画にじつにふさわしいものだと思いました。

女性目線で描かれている二次大戦の作品は珍しいですよね。

 

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