エッセイ

Appleが広告ブロック機能を標準搭載した事で変わる、これからのネットの未来

AppleがiOS9に、標準で広告ブロックを搭載したらしいですね。

自分の持ってるサイトも影響を受けているのかな。広告収入が先月に比べて2割ほど減です。

とは言っても僕が持っているサイトはAndroid向けのサイトなので直撃は避けているって感じだと思いますが。

さて、この事で世の中はどう動くのでしょうか。

そもそもなぜAppleは広告ブロックをしたくなったのか

理由はいくつかあると思うんですが、まず第一に

AppleはGoogleを潰しにかかった

Googleは2014年度、総売上660億ドル(日本円にして約8兆円)、前年比19%増という企業です。
そしてその売上の内訳は広告収入が約90%を占めています。

実はGoogleって世界最大の広告会社なんですね。

AndroidやGmailをはじめとする様々なサービスは全て、いかに効果的に広告を打つことができるかという思想の延長上に展開されています。

そんなGoogleのメイン収入源である広告を表示させないようにしたのは、AppleのGoogleに対する宣戦布告と受け取れるでしょう。

GoogleはAppleのこの方針について「産湯(うぶゆ)とともに赤ん坊を流す様なものだ」と言っています。

なぜでしょうか。

広告がなくなるとどうなるのか

私達が普段、何気なく楽しんでいるウェブの情報ですが、それらには当然、全てコストがかかっています。

サーバー代や、ドメイン代や、大枠のウェブサイトシステム制作費、コンテンツである記事を書くライターさんに支払う報酬などなど。

それらを投資してまで、コンテンツ提供者がやってこれた理由が「広告収入」です。

さて、これから沢山の人々が広告ブロックを持つブラウザを使って、それらの記事にアクセスするとどうなるでしょうか。

サーバーは安くて遅いものにかわり、記事の内容もお粗末なものになっていきます。

ついには閉鎖するサイトも出てくる事でしょう。

これまでWin-Winの関係であったユーザーとコンテンツ提供者のバランスが崩れてしまうわけですね。

ユーザーは利便性の為に広告をブロックすると、しまいには自分の首を締める事になり、ひいてはウェブの文化が衰退してしまうという事になるわけです。

確かに煩わしい広告も多く存在しますから、広告をブロックしたくなる気持ちも大いにわかりますが、これをやってしまうと真面目にやっている所もダメになっちゃうという事です。

それで、Appleはどうしたいのか

おそらく、広告プラットフォームを作りたいのでしょうね。

例えばApple謹製のニュースアプリなんかを作り、既存の大手メディアの記事誘致を図り、そのアプリ内であれば広告を表示させるかわりに参加費を要求するような方法、もしくはもっと露骨に、お金を払って広告ブロックを解除させるような方法なのか。

いずれにしても、これまでコンテンツ供給者が無料でGoogleにやっていてもらっていた事を、Appleはそのコンテンツ供給者の上前をはねる形で実現する様な事になるんじゃないのかなと思います。

広告をブロック出来る事に、人びとが気づいてしまった

これまでも広告をブロックする機能はありましたが、一部のマニアックな人々のものでした。

最近はウェブにアクセスする端末の比率が、PCよりもスマフォが多くなってしまったので、広告をブロックする人の数は問題になりませんでした。

しかしAppleによる今回の施策によって、大きくウェブ業界は変わる事でしょう。

Appleがウェブ上の人々を出しぬき、結局的に誰も得をしないやり方を広めた罪は大きいと思います。いずれこのツケは支払う事になるでしょう。

しかし、最近の行き過ぎた広告問題に一石を投じる事になったのも事実です。

始まる広告の表示、非表示技術の応酬

広告を配信するプログラム、ブロックするプログラム

広告をブロックする技術は、様々な広告表示業者の広告を表示するコードと広告ブロックプログラムが持つこれは広告であるだろうと推測する為の情報と比較し、合致した部分を削除するというやり方をしています。

これを回避する為、広告配信業者側が、広告を表示するコードを偽装して配信する事が考えられます。

そして、広告をブロックするプログラムは、プログラムの更新をする事でその偽装に対策する形になります。

この様なイタチごっこが、これから永く繰り広げられる事になると思います。

コンテンツ配信業者側の施策

既にいくつかのサイトで実験的に使われているようですが、広告ブロック機能を持つブラウザでアクセスした際にまともに表示しないようなやり方が出来るようです。

これらは小さな拡張プログラムとして、既存のウェブサイト制作システム上で配布され、多くのウェブサイトが実装する様な事になるかも知れません。

そうなると、現在の広告ブロックプログラムは役に立たなくなりますが、これも広告をブロックするブラウザである事を偽装する事で回避する事もできるでしょう。

やはり、イタチごっこですね。

既存の広告収入モデルが崩壊しつつある

今回もまた、大きく1つの常識が変わる形になるんだと思います。

これまで広告費で稼いで居た人たちは大勢居ましたが、その人たちの多くは、これまでのやり方が通用しなくなるかも知れません。

そしてIT界の巨人Googleがシェアを荒らされた時、どういう対応に出てくるのか非常に楽しみです。

大きな変化が起こります。面白くなりそうですね。

それではまた。

 

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